衝撃の経験から学ぶ、ITエンジニアとしての戦略

1. 25年前の衝撃

今から25年前に、アミューズメント施設を展開する企業に店舗スタッフとして働いていました。いわゆる総合職。当時は社内試験に合格し、アシスタントマネージャー(副店長)に昇進したばかり。九州の第一店舗目を立ち上げるために奔走していました。その時に、マーチャンダイザー(仕入れ担当でマネージャーの上司)で本社では課長と同等。そんな方に人事業務を請け負っていた企業の事務管理SV(一番偉い人)が退職届を書かせて諭旨解雇していました。

そのマーチャンダイザーは勤続4年で女性。そんな方珍しいので、なんかあったんだろうと言って社長が調べて判明しました。理由は、仕事では誤発注のミスをして、勤怠を期日通りに出さないので面倒。マーチャンダイザーの上司エリアマネージャー(部長と同等)は現在の部長職は監督責任を怠っているので、懲戒解雇すべきという意見でしたが、さすがに賞罰が厳しすぎるだろうとして社長のご判断で諭旨解雇になりました。決定と同時期に部長職にある方が退職願を自主的に提出されたため、実行されなかった懲罰ですが。

人事業務を請け負っていた会社は社長が即時契約解除し、その会社を監督する責任がある課長職は1年間10%の給与カット。同期が社内の調査に参加しているので、詳しく様子を教えてくれましたし、全社的にも長文で報告書が公開されました。現場で表だって発言する人はいませんでしたが、話題になりました。私もお店が近い同期と話題になりました。

この事象で明らかになるリスクは以下です。以下のリスクから逃れる為にITエンジニアならできることがあります。

  • 社内政治:「誤発注」や「勤怠の遅延」といったミスに対し、諭旨解雇という極めて重い罰則が下される。これは「人治主義」がまかり通る社内政治の世界
  • 責任の押し付け合い
  • そして昇進の「リスク」:昇格すればするほど、自分の直接的なミスではない「部下や請負先のミス」の責任を負わされるリスクが跳ね上がる

2. 「離脱」と「交換価値」の戦略

あなたも心当たりがありませんか? 朝から夕方までびっしり埋まった会議スケジュール。出てみれば、誰かの手柄争い、責任の押し付け合い、そして「誰かが発言しなければならない」というだけのムダな時間。

「えらくならずにお金が欲しい」と願う私たちは、このムダな時間に人生の貴重な時間とエネルギーを奪われています。

昇進を狙う人は会議で目立つべきかもしれません。しかし、昇進を望まない私たちが会議に参加する唯一の目的は、「無駄な責任を負わされないよう、議事録に残らない範囲で発言すること」でしかありません。

断言します。あなたの会議参加の90%はムダです。

3. 会議が奪う「あなたの市場価値」

私たちITエンジニアの価値は、会議室の椅子に座っている時間ではなく、キーボードを叩いて生み出した成果にあります。

特にインフラエンジニアは、「手は動かさず、頭と仕組みで稼ぐ」フェーズに移行すべきです。

あなたが参加した1時間の会議が生む価値と、その1時間で書いた自動化スクリプトが、今後5年間でチーム全員から奪うルーティン作業の時間を比較してみてください。

  • 会議参加:評価者が気づかない、精神的な消耗。
  • スクリプト作成:組織全体が永続的に享受する時間とコストの削減。

私たちは、目立たない「自動化」という成果で会社に貢献する。これが「えらくならずにお金が欲しい」人の最も賢い戦略です。

では、どうすれば政治的なリスクの高い会議からスマートに席を立てるでしょうか?鍵は「代替案の提示」です。

  • 「作業集中時間」としてブロックする 会議の招待が来たら、「大変恐縮ですが、明日リリース予定の〇〇の監視設定(あなたの専門分野)がクリティカルな状況です。会議のこの時間帯は、集中時間として確保させてください。」と断固として返信します。 誰も、インフラの安定稼働を犠牲にしてまであなたを会議に出席させようとはしません。
  • 「議事録で貢献する」と交換する 参加が避けられない場合は、「議事録や資料を後で必ず読み込み、その内容に基づき、自動化検証環境(あなたの作業場所)で〇〇の技術検証を優先的に行います」と宣言します。 あなたは会議の「議論の責任」から離脱し、「検証の実行責任」という、あなたの得意分野に交換することに成功します。
  • 目立たない成果を出す 会議で「新しい事業計画」について熱弁する人たちがいる間に、あなたは誰にも気づかれないところで小さな業務を自動化し続けます。これにより、あなたのチームは毎年少しずつ、競合よりも「楽」に仕事ができるようになります。この快適さが、あなたを現場から不可欠な存在にします。

会議室の椅子に座っているうちは、あなたはただの「出席者」です。 しかし、席を立ち、スクリプトを書いた瞬間、あなたは「時間の創造者」になります。

今日から、あなたのカレンダーにあるムダな会議を一つ選び、「作業時間」に置き換えましょう。その時間を使って、誰もが面倒だと思っているログ収集やレポート作成の自動化スクリプトを書いてみてください。

それが、あなたが65歳まで会社に頼られながら、精神的なストレスなく稼ぎ続けるための第一歩です。

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