今日は仕事で、解決しそうで解決しないシステムの不具合に一日中振り回されてしまいました。「設定は正しいはずなのに、なぜか拒否される……」という状態は、精神的にかなり削られるものですね。
そんなモヤモヤした時こそ、墨を磨(す)り、静かに自分と向き合う時間が必要です。
今日は、書道教室に通い始めたばかりの方が意外と知らない、「道具を跨ぐ(またぐ)」ことに関するマナーについてお話しします。
道具を跨ぐのは、なぜNG?
書道教室では、床に下敷きを敷いて書くスタイルも多いですが、その際、置いてある筆や硯、あるいは紙をひょいっと跨いで移動してしまう人を見かけることがあります。
実はこれ、書道の世界では「絶対NG」とされる振る舞いです。理由は大きく分けて2つあります。
【道具への敬意(リスペクト)】
古来より、筆や墨は単なる「物」ではなく、表現を助けてくれる大切なパートナーと考えられてきました。自分の成長を支えてくれる道具を足の下に通す(跨ぐ)行為は、道具への敬意を欠いた、無礼な行いとされています。
【安全への配慮(実利的な理由)】
跨いだ拍子に裾が筆に当たって墨が飛び散ったり、硯を蹴ってしまったりする危険があります。一度汚れた紙や服は元には戻りません。「不注意による事故」を防ぐための先人の知恵でもあります。
書道教室で知っておきたいマナー、他にもあります
道具を跨がない以外にも、書道教室には「知っておくと恥をかかない」マナーがいくつかあります。
【硯の置き方】
硯は「海(墨をためる深い部分)」が手前に来るように置くのが正しい向きです。逆に置くと墨が流れてしまいます。
【墨のすり方】
墨は硯の「陸(おか:平らな部分)」で磨ります。力を入れすぎず、円を描くように静かに磨るのがコツです。
【筆の持ち方と置き方】
書いていない時は、筆を硯の上に置かず、筆置き(筆架)に置くのが礼儀です。
【教室内での移動】
人の前を通る時は「失礼します」と一声かける。これも大切なマナーです。
「道」としての振る舞いが、字に表れる
システムの世界でも、丁寧に手順を踏まないと予期せぬエラーが出るように、書道も「一事が万事」です。
- 道具を丁寧に並べる
- 人の道具の前を通る時は一言添える
- 決して跨がず、回り込んで歩く
こうした小さな配慮ができるようになると、不思議と筆致にも落ち着きと丁寧さが宿り始めます。
終わりに
もし仕事で「思い通りにいかない!」と壁にぶつかった時は、一度立ち止まって、自分の周りの「道具」を整えてみるのもいいかもしれません。書道のマナーは、日常の所作を整えるヒントにもなっています。
