AIに書道の文字を生成してもらい、自分の手書きと並べて比べてみました。
今回書いたのは「一期一会」。AIが生成した文字(左)と、私が書いた文字(右)を見比べると、面白いことに気づきました。
AIが書いた「一」は、全部同じ
AIが生成した「一期一会」を見て最初に思ったのは、「均一だな」ということでした。
特に「一」という字。「一期」の「一」も「一会」の「一」も、同じ形をしています。始筆の角度、線の太さ、終筆の形——すべてが揃っている。整然としていて、バランスが取れている。
書道フォントとして見れば「正しい」字です。
私が書いた「一」は、全部違う
一方で、私が書いた「一期一会」の「一」を見ると、一画ごとに違います。
「一期」の「一」は始筆を少し膨らませて書きました。「一会」の「一」は45度でスッと入りました。同じ文字でも、その瞬間の筆の角度、墨の含み具合、気持ちの向きで、自然と変わっていきます。
これは失敗ではありません。書道では「同じ文字が同じように書けない」ことは当たり前です。むしろ、その「ゆらぎ」が手書きの文字に生命感を与えます。
「均一」と「ゆらぎ」、どちらが正しいか
AIの均一な文字は、デジタルの世界に慣れた目には「安心感」があります。ズレがない、整っている、美しい。
でも、書道の世界では「均一」は必ずしも目指すものではありません。同じ文字を書いても、一画一画に微妙な変化がある。それが「今この瞬間に書いた」という証拠になります。
AIは過去の膨大なデータから「最適解」を出します。でも書道は、今この瞬間の自分の呼吸と筆先が作り出す「一回きり」のものです。だからこそ「一期一会」という言葉を書くことが、この比較にぴったりだと思いました。
AIの文字から学べることもある
AIが生成した文字を見ていると、字のバランスや余白の取り方が参考になることがあります。「この文字はこういう重心で書くのか」という確認に使えます。
ただし、それはあくまで「参考」です。お手本として手書きの模写をするものとは別物です。AIの文字をそのまま真似しようとすると、均一な線を追いかけることになり、書道の「ゆらぎ」が失われていきます。
AIと書道は、対立するものではありません。使い方次第で、お互いの良さを引き出せると感じています。

