デロンギ後日談。カスタマーサポートの「落とし穴」と、21年の現場経験から思うこと

先日、デロンギのカスタマーサポートの対応が素晴らしかったという記事を書きましたが、実はその後に「意外な展開」がありました。 結果から言うと、情報の連携ミスで修理がスムーズに進まなかったのです。しかし、この失敗から見えてきたのは、カスタマーサポートという仕事の難しさと、私たちが「賢いユーザー」としてどう振る舞うべきかという教訓でした。


「現象が再現しません」技術担当からの予期せぬ電話

一昨日、デロンギの技術サポートの方から電話がありました。 その内容は、「お客様は『内部が汚れているランプが消えない』とおっしゃっているようですが、こちらでは再現しません」というもの。

私は驚きました。私が伝えたのは「豆は挽けるのに、コーヒーが抽出されない」という事象です。 実は電話が途中で切れた関係で、2人のオペレーターさんと話したのですが、最初の方が内容を正しくシステムに登録していなかったか、あるいは情報の引き継ぎがうまくいっていなかったようです。


サポートの裏側を推測する。なぜ「情報の不一致」が起きるのか

21年ITの世界にいた私は、つい裏側の環境を推測してしまいます。 通常、サポート現場ではヘッドセットを使い、両手を空けてタイピングしながら話を聞きます。しかし、今回のミスが起きた背景には、いくつかの可能性が考えられます。

  • 入力のタイミング: お客様は名乗る前に事象を話し始めることが多い。その情報を一時的にメモし、顧客特定後に正しくシステムへ転記できていなかった。
  • 環境やスキルの問題: ブラインドタッチが苦手、あるいは入力画面の操作性に問題があり、会話に追いつけなかった。

メーカーの修理部門は、カスタマーサポートが入力した内容を「絶対」として作業に入ります。ここでのミスが、結果として修理の遅れに繋がってしまうのです。


私が現場で実践していた「クレームと個人情報」の聞き方

かつて私がサポート現場にいた頃は、まずは「お客様の話を遮らずにメモを取る」ことに集中していました。

ひとしきり話を聞いた後で、「今の内容を社内で共有するために、システムに入力させていただきます。恐れ入りますが、お名前とお電話番号を……」とお聞きすると、大抵の方は快く教えてくださいます。

また、厳しいクレームの際は、自分を保つために付箋に「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」と書いて貼っていました。 ただ、「申し訳ございません」を3回以上繰り返すと逆効果です。「何について申し訳ないと思っているのか」を具体的に謝罪する。すると不思議なことに、30分ほどでお客様も落ち着き、情報を聞き出せる「小休憩」のようなタイミングが訪れます。


カスタマーサポートを「味方」につけるコツ

今回の経験で改めて感じたのは、サポートを受ける側(ユーザー)の伝え方の工夫です。

  1. マニュアルを読んだことを先に伝える: サポート側は「お客様はマニュアルを読んでいない」前提で話します。あらかじめ「マニュアル○ページの操作を試しましたが……」と伝えるだけで、初歩的な確認をスキップでき、対応がスムーズになります。
  2. チャットサポートの活用: デロンギもチャットを導入して、よくある質問(FAQ)を効率化すべきだと感じました。情報の「言った・言わない」を防ぐ意味でも、テキストベースのやり取りは有効です。

プロの仕事は「情報のバトン」を繋ぐこと

結局、今回の件では技術サポートの方の対応が的確で、事象を正しく再認識してもらうことができました。

プロフェッショナルの仕事の共通点は、最後は「人間性」です。でも、その人間性を支えるのは、「聞いた情報を正確に次の担当へ渡す」という事務処理能力でもあります。

ITの世界でも、AIがどんなに進化しても、最初の「ヒアリング」が間違っていれば、出てくる答えも間違ってしまいます。今回のデロンギの件は、私にとっても、情報伝達の重要性を再認識する貴重な経験となりました。

次こそは、美味しいコーヒーが戻ってくることを願っています!

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